或る独りのろまんてぃすと

思いついたことを、支離滅裂に書く

日曜洋画劇場でよくやってたなシリーズ~『未来警察』

 米作家マイケル・クライトンと言えば、映画化もされた『ジュラシック・パーク』(1993年)や『アンドロメダ病原体』(1971年、映画邦題は『アンドロメダ…』)、TVドラマ『ER緊急救命室』(1994年~2009年)の原作『五人のカルテ』など、数々のベストセラーを世に送り出した。

また、映画監督・脚本家としても活躍しており、中でも有名なのは『ウエストワールド』(1973年)だろう。

歴史テーマパークで、西部劇のアトラクション用やられ役ガンマンロボット(ユル・ブリンナー)、絶対人を撃たないようにプログラムされているはずが、故障により人に襲いかかる。しかも、不備の兆候は前日から現れているにもかかわらず、経営者は利益優先のためこれを放置。という、のちの『ジュラシック・パーク』にも共通するテーマ性がある。

で、この『未来警察』(1985年)では、日常生活にも深くロボットが活用されている近未来が舞台である。ロボットといっても、よくSFに登場する汎用の人型ロボットではなく、現代でも普及しつつあるお掃除ロボットのような、特定の作業に特化したものである。

主人公のラムゼー警部補(トム・セレック)はロボットのトラブル処理を専門とする捜査班のチーフ。相棒のカレン(シンシア・ローズ)とともに、相次ぐロボット暴走事件の捜査を行うが、それらのロボットには、謎の回路が取り付けられていたことが判明する。やがてその回路を使って、テロを企てている悪の博士ルーサー(ジーン・シモンズ)の存在を突き止めるが…

ラムゼー警部補を演じるトム・セレックは、TVドラマ『私立探偵マグナム』(1980年~1988年)で人気を博した俳優で、『レイダース/失われたアーク』(1981年)で主人公インディアナジョーンズ博士役は当初セレックが予定されていたが、『私立探偵マグナム』の撮影のためスケジュールが合わず、断念している(で、代わりにハリソン・フォードになった)。

ルーサーを演じるのは、白塗りのメイクと過激なパフォーマンスで知られる、米ロックバンド「KISS」のジーン・シモンズが素顔で演じている。シモンズはこの後、ルトガー・ハウアー主演『ウォンテッド』(1986年)でも、テロリストの悪役を演じている。

ルーサーは、体温に反応して追尾してくる熱誘導ミサイル弾や、毒を注入してくる蜘蛛型ロボットを駆使し、またラムゼーは高所恐怖症で、その弱点をつかれルーサーに息子を誘拐され建設中の高層ビルにおびき出され、苦戦を強いられる。

果たしてラムゼーは、高所恐怖症を克服し、息子を救い出し、ルーサーを倒すことができるのか。

技術の進化と、それに伴う問題点を指摘する、これもマイケル・クライトンらしい作品だ。

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相撲館けはや座、見学のこと

日本書紀に記されている、日本初の天覧相撲と言われる、野見宿禰(のみのすくね)と當麻蹴速(たいまのけはや)の闘い。

その當麻蹴速、名が表す通り、現在の奈良県葛城市當麻(旧北葛城郡當麻町)に住んでいたと言われ、その故事にちなんで平成2年より、葛城市相撲館けはや座という相撲博物館が設立されている。

場所は、近鉄南大阪線当麻寺駅から当麻寺まで向かう道の途中にある。

地図

ちなみに、わたしの母の出生地も當麻町である(笑)。

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これが入り口。

観光案内所を兼ねていて、中には観光パンフレットとか、いろいろ置いている。

横綱の写真とかも展示してあるし。

で、奥の受付で入館料300円(大人料金。小中生150円、幼児以下無料)を払うと中へ案内される。

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これは本場所で使われる土俵と同じ作りになっているが、展示用なので土足で上がってもいいとのこと。あと女性でもOK。

上がってみるとけっこう高い。土俵上から下に落ちると、普通の人なら怪我しそう。

土俵隅には塩が用意されてるんで、塩をまくこともできるぞ。

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升席もある。

2階には、相撲の歴史についての解説や年表、歴代の力士の写真、化粧まわしなど力士ゆかりの品、昔の相撲グッズなどが展示してある。わたしが一番興味を引かれたのは、いくつか展示してある過去の番付表の中に、

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昭和44年11月場所って、ちょうどわたしが生まれた時のものだ。

相撲館の隣には當麻蹴速の塚が奉られている。

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當麻蹴速の言葉に、「四方に求めむに(よもにもとめんに)、豈我が力に比ぶ者有らむや(あにわがちからにくらぶものあらんや)。何して強力者に遇ひて(いかにしてちからこわきものにあいて)、死生を期はずして(しにいくことをとわずして)、頓に争力せむ(ひたぶるにちからくらべせん)」というのがある。現代風にいうと「周りを捜しても、自分と対等の力を持つ者などいない。どうしたら強い男と出会い、生死を問わず、ただひたすら力比べができるだろうか」ということだろうけど、実際蹴速は、野見宿禰との闘いで、背骨を蹴り折られ命を落としている。

「蹴速」という名前は、蹴りが速い、というところから付いたと言われてるし、二人の闘いはまず、蹴りの応酬から始まってるから、このときの相撲は、のちの相撲ルールではなく(何しろ日本初の相撲だからルールなんかないだろう)、総合格闘技的というか、しかも最初期のまだルールが整備されていない頃のUFC以上の、壮絶な闘いだったんだろう。

でも、言葉通り、生死を問わない試合を全うした蹴速にとっては、命を失っても本望だったろうし、それに応えてきっちりとどめを刺した宿禰も、またすごいとしか言いようがないなあ。

本朝無双格闘家列伝

本朝無双格闘家列伝

 

神話の時代から戦国時代までの、伝承・説話に残る素手の闘いにこだわった物語集。脱線話も交えながら軽快に描かれてます。この記事を書くのにも、少し参考にしました。

 

 

 

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