或る独りのろまんてぃすと

思いついたことを、支離滅裂に書く

祝祭日ホラー映画あれこれ

先週10月31日はハロウィンだった。

近年日本では、なんか仮装パーティーというか、コスプレイベントと化しているきらいがあるが、元々は古代ケルト人の祭で、秋の収穫を祝い、そして冬の訪れとともにやってくる魔を払う行事である。ケルトでは10月31日が一年の終わりとされ、日本でいうと大晦日みたいなものか。また、キリスト教カトリック教会では、11月1日すべての聖人と殉教者に祈りを捧げる「諸聖人の日」の前夜祭になる。そして諸聖人の日の翌日11月2日(わたしの誕生日だ)は「死者の日」といって、すべての死者に祈りを捧げる、日本だとお盆みたいなものか。

でも、わたしにはハロウィンといえば映画のこれ。

ハロウィン

ハロウィン Extended ED [DVD]

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 1978年公開。監督ジョン・カーペンター。シリーズ全8作が製作され、2007年にリメイク作が公開。

ハロウィンの夜、姉と母を殺した6歳の少年、マイケル・マイヤーズは、その後15年間精神病院に隔離入院させられるが脱走し、清純な女子高生ローリー(ジェイミー・リー・カーティス)を狙う。早くからマイケルの危険性を察知していたルーミス医師(ドナルド・プレザンス)は、マイケルを追うが…

白い無表情なマスクを被り(マスクの下は普通の顔)、大柄で怪力なマイケルのキャラクターは、その後の殺人鬼ホラー映画に大きな影響を与えた。

その『ハロウィン』の影響を受けて製作された『13日の金曜日』(1980年)。さらにその影響を受けたのがこれ。

血のバレンタイン

血のバレンタイン [DVD]

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1981年公開。2009年にリメイク作『ブラッディ・バレンタイン3D』が公開。

20年前の2月14日に起こった炭鉱事故で生き埋めになり、救出されたが精神に異常をきたし、精神病院に入院していたハリー・ウォーデンという男が脱走、事故の原因を作った人物たちを殺害し失踪。それから20年後、バレンタインデーを祝う若者たちの前に、防塵ゴーグルにマスクで顔を隠し、鉱山用作業服に身を包んだ男が現れ、若者たちに襲いかかる。果たしてこの男はハリー・ウォーデンなのか…

製作されたカナダ本国とアメリカで公開されたときは、残酷シーンをカットされたほどの残酷度の高い映画であるが、なんと日本ではノーカット公開。昔の日本は残酷シーンには寛容だったんだなあ。

さて、年末も近づいてきたことで、次のイベントはクリスマスだが。

暗闇にベルが鳴る

暗闇にベルが鳴る デラックス版 [DVD]

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1974年公開。原題『Black Christmas』2006にリメイク作が製作されたが、日本では劇場未公開。2013年に『ファイナルデッドコール』という邦題(『ファイナルデッドコースター』主演のメアリー・エリザベス・ウィンステッドが出演してるから?)でDVD発売。

クリスマスパーティーが行われている女子学生寮に、謎の電話がかかってくる。その後、寮に潜んでいた何者かに女学生が殺害される。子を身ごもってしまった女学生ジェス(オリヴィア・ハッセー)は、相手の学生ピーター(キア・デュリア)に中絶することを告げるが、ピーターは猛反発し去って行く。そして、事件を捜査するフラー警部(ジョン・サクソン)に協力して電話の応対をするが、その声は…

主演のオリヴィア・ハッセーは当時日本でも、アイドル的な人気を誇った女優で、共演者も、『スーパーマン』(1978年)でロイス・レーンを演じることとなるマーゴット・キダー、『2001年宇宙の旅』(1968年)に主演したキア・デュリア、『燃えよドラゴン』(1973年)でブルース・リーと共演したジョン・サクソン(『エルム街の悪夢』では主人公の父親で警部補だった)と、錚々たる面々だ。

祝祭日に惨劇が起こるという映画、無名のB級作品まで探すと、まだまだありそうだけど、今回はこの辺で。

 

 

 

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何を今更二つで十分ですよ問題

「Give me fuor」

「二つで十分ですよ」

「No fuor,Tow,Tow,Fuor」

「二つで十分ですよ」

「And noodle」

「分かって下さいよ」

言わずと知れた、『ブレードランナー』(1982年 リドリー・スコット監督)の冒頭シーンである。

デッカードハリソン・フォード)が英語で喋ってるのに、屋台の親父は日本語で喋り、それで会話が成立してるのが謎だが、他にも日本語で書かれた看板とか(芸者が出てきて、なんか強力わかもとの効能を誤解してるような広告が有名)、デッカードレプリカントのゾーラを背後から射殺したシーンで、周囲の喧噪の中に「なんか変なもんが落っこちてたぜ」のように聞こえるような声があったり(実際にそう言ってるのかどうかは知らんが)、ことに日本人にとってはより印象深いシーンが多い。

で、何が二つやねん、というのがこれ。

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試写用のワークプリントにはあったが、公開版ではカットされた問題のシーンで確認できる。

なんか謎の黒いエビらしきものが二つ、こんなん四つどころか二つもいらんわ。わたしならうどんを四杯注文する。

あるいは、おいなりさん四個が現実的か。お銚子四本なら「二つで十分ですよ」と言われるのも納得できる。

戦隊ヒーローの元祖、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年~1977年)の第一話に、似たようなやりとりがあるようで、ゴレンジャーの秘密基地があるスナック・ゴンに、大岩大太(キレンジャー)が、マスター(実はゴレンジャーの司令官江戸川権八)に大盛カレー四杯を注文する。マスター「うちのは正真正銘の大盛だから四杯は食えないよ」「二杯にしときな」、キ「いや四杯」、とキレンジャー、カレー四杯たいらげるシーンがあり(わたしリアルタイムでゴレンジャー見てたけど、そんな細かいとこは憶えてないよ)、ゴレンジャーの方が先なので、これが元ネタという説も(たぶん違うと思うけど)。

そしてブレラン公開35周年である今年、続編『ブレードランナー 2049』(2017年)が先日10月27日に公開された。この記事書いてる時点では、まだ観に行ってないけど。

でも、今から35年前、1982年ってあの『E.T.』も公開されてるぞ。当時の映画興行収入世界最高額をたたき出した空前のヒット作だ。

そういえば、レプリカントのリーダー、ロイ・バッティを演じ、観る者に強烈な印象を残したルトガー・ハウアーと、『E.T.』に出演してたC・トーマス・ハウエルは、サスペンス映画の傑作『ヒッチャー』(1985年)で対決してる。

他にも、初めて本格的なCGを導入した『TRON』や、特殊メイクアップに驚かされた『遊星からの物体X』といった名作SF映画が公開されてる。ジェームズ・キャメロン監督の出世作『殺人魚フライングキラー』もこの年だ。

でも、わたしが当時劇場で観た映画は、『映画ドラえもん のび太の大魔境』だけどね(笑)。

 

 

 

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